2010年10月14日(木)奈良県経済倶楽部 経済会館で開催された「地域コーディネーター人材育成研修(奈良県)」は、約40名の方々にご参加いただき、大変盛況に終わりました。
研修の参加者は、行政、連携支援機関、大学・研究機関、食品関連事業者、コンサルタントの方々など、日頃食農連携のコーディネート業務に携わる方々にお集まりいただき、講義とグループワークによる実践研修を通じ、大変有意義な研修の場となりました。
講義では、食産業における連携をテーマとした取組みについて、いくつかのモデルを示しながらわかりやすく説明されました。その上で、連携構築のためには合意形成による戦略構想をつくっていくことが重要であること、その戦略構築、合意形成手法の一つにSWOT分析があることが説明されました。さらに、具体的にSWOT分析を用いた食農連携の戦略構築・合意形成をどのように行うべきかについて、内部環境の強み(S)、弱み(W)、外部環境の機会(O)、脅威(T)の抽出の仕方、各々の項目を関連付けて、戦略に落とし込んでいく方法を順を追って、わかりやすく解説されました。
※SWOT分析とは、組織のビジョンや戦略を企画立案する際に利用する現状を分析する手法の一つ。 SWOTは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字を取ったもの。主に、企業が経営戦略や経営計画を策定するために、自社の内部環境(経営資源)と外部環境(経営を取り巻く環境)の分析を行う際に活用されてきた手法。
実践研修では、「奈良県の食料産業」をテーマとして、各グループごとに強み(S)、弱み(W)、機会(O)、脅威(T)について話し合い、整理をしました。研修参加者は、常日頃から主に奈良県内でのコーディネート業務に主体的に携わっている方をはじめ、奈良県外に所在し活動されている方もいらっしゃいました。奈良県内の方からは主に内部環境に関するコメントを、奈良県外の方からは外から見た奈良県の食料産業に対する内部環境や外部環境についてコメントを出していただくなど、各グループでは中身の濃い活発な議論が展開されました。 また、各グループに県内外から参加された食農連携コーディネーター(FACO)を配置したことにより、SWOT分析の進め方、グループ内で出された項目の関連づけやまとめ方などについてアドバイスを聞くことができたようです。
実践研修の最後には、各グループでまとめた奈良県の食料産業に関するSWOTの結果を、それぞれのグループの代表者が発表しました。同一テーマでありながら、各グループ様々な結果が発表され、他グループの結果についても熱心に耳を傾けていました。さらに各グループの発表に対する講師からの講評があり、その先のクロス分析に関する解説も行われました。