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「食品のトレーサビリティ」メールニュース   No.54(2010年10月29日発行)

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食品需給研究センター「食品のトレーサビリティ」メールニュース
                        2010/10/29発行
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食品需給研究センターの酒井です。急に寒くなりましたね。

今回のメールニュースでは、私たち自身が最近取り組んでいる活動
について、お知らせしたいと思います。

 <目次>
  ・電子タグ付き青果通い容器の活用事例レポートの公開
  ・食品流通効率化・高度化推進事業(過去の電子タグ実証の検証)
  ・米トレーサビリティ法施行に関わる寄稿
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■電子タグ付き青果通い容器の活用事例レポート公開
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電子タグ付き青果通い容器の活用事例を紹介するレポートを作成し、公開しました。

 電子タグ付コンテナによるコンテナと青果の管理効率化・高度化(イフコ・
 ジャパン株式会社)
 http://www.afcr.jp/foodetag/case1ifco.pdf

青果用のコンテナレンタル業者であるイフコ・ジャパンが、昨年度農林水産省の
「新技術活用ビジネスモデル実証事業」の補助を得て実証を行い、今年度から
実用化しています。その現状や、確認された効果などについてまとめています。

電子タグは、食品トレーサビリティのための業務を自動化するツールとして
ずっと期待され、さまざまな品目で実験が行われながら、なかなか実用的な
モデルが現れてきませんでした。
今回紹介する事例では、16万箱という大量のレタス用の通い容器に1つ1つ
電子タグを取り付けており、まずは通い容器の管理のために活用されて
います。
この電子タグがインフラとなって、通い容器の管理にとどまらず、通い容器の
なかに入れた食品のトレーサビリティ確保や、産地情報などの情報伝達の
ツールとしても活用されていくことが期待されます。このレポートは、
それを展望するレポートになっています。

とくに、青果物流通の生産や流通に関わっておられる皆様に、ぜひご一読
いただけたら幸いです。
ほかの電子タグを食品流通に活用している事例についても、取材中です。
順次紹介していきます。

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■食品流通効率化・高度化推進事業(過去の電子タグ実証の検証)
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上で紹介したレポートは、食品チェーン研究協議会(食品需給研究センターに
事務局をおく任意団体。会長=松田友義・千葉大大学院教授)による、農林
水産省流通課の補助事業「食品流通効率化・高度化推進事業」の一環です。

 平成22年度 食品流通効率化・高度化推進事業
 http://www.afcr.jp/foodetag/

この事業では、過去の電子タグを使ったさまざまな実証事業を検証をしています。
一般的に言って、政府・自治体から補助や委託をいただだいての調査研究では、
過去の事業について反省し見直しを提案することはなかなか難しいもの
ですが、この事業では素直に、過去の検証と、新しい方策の提案をさせて
いただいています。

確かに、事業のなかにはさまざまな事情で実用化に至らないものも少なくないの
です。が、上記のイフコ・ジャパンの事例のように、実用化され、かつ社会的に
波及していきそうなものもあります。
「実証事業の補助金、ちゃんと役立っているの?」という関心をお持ちの方々にも、
上記のレポートも含め、成果をお届けしたいな、と思っています。

この事業のテーマの一つとして、最近、業界の皆様に参加いただき、青果用の
通い容器にとりつける電子タグのID等の標準の検討を始めました。
そこでは、青果用の通い容器レンタル業者や、農協・卸売業者・小売業者など、
さまざまな所有者の異なる青果の通い容器に、電子タグが取り付けらて混在する
将来を想像しています。そのときにも、電子タグを所有者が通い容器の管理の
ために使うだけでなく、生産者と食品事業者が青果の管理(例えばトレーサビリ
ティ確保)のために、役立てられるようにすることを目指しています。
成果がまとまったら、ご報告したいと思います。

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■米トレーサビリティ法施行に関わる寄稿
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今月から、米トレーサビリティ法のうち、記録の作成・保存の義務がはじまり
ました。それにともなって今年は、制度の紹介や、事業者の対応策について、
講演や原稿執筆を求められることがたびたびあります。
最近、雑誌『農業と経済』に記事を書きました。

 酒井 純「米トレーサビリティ法実施の負担と効果を考える」
 『農業と経済』2010年11月号、88-95ページ

来年7月からはじまる、産地情報伝達(と産地記録)の義務のほうが、記録の
作成・保存に比べ、新たに対応すべきことが多く、負担も大きいです。
米に限らず、原料原産地表示や産地情報伝達の対象拡大に賛成の方に
(もちろんそうでない方にも)、その負担がどのようなものかを客観的な立場
から説明することが有効かと思い、書いてみたものです。
お読みくださった方には、ご意見・ご感想などいただけたら幸いです。
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酒井 純   
 社団法人 食品需給研究センター
 Tel:03-5567-1993 Fax:03-5567-1934
 114-0024東京都北区西ヶ原1-26-3 農業技術会館
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