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青果用通い容器の個体管理の普及に向けて

 青果用通い容器に、電子タグやQRコードによって固有の番号をつけ、入荷・出荷の際にその番号を記録する「個体管理」が普及しようとしています。この資料では、通い容器を利用しておられる皆様に、青果用通い容器の個体管理の意義や見通しについて、ご説明します。

目次

1 青果用通い容器とは
2 通い容器普及への課題:回転数と回収率の向上
3 回転数と回収率を向上するためのこれまでの対策:通い容器の総数管理
4 通い容器の「個体管理」とは
5 所有者にとっての個体管理の効果
6 個体管理の将来:利用者における通い容器IDの活用
7 青果用通い容器識別コードガイドライン
8 通い容器の識別コードの食品管理への応用:産地にとっての費用対効果が重要
9 まとめ

1 青果用通い容器とは

 現在、青果物の輸送容器として、主として段ボール箱が用いられています。繰り返し利用できるプラスチック製の容器の利用も増えつつありますが、現在のところ、青果物流通の4%程度だと言われています。

 プラスチック製の青果用通い容器は、段ボール箱と比べて

  • 収穫作業などの効率の向上
  • 鮮度・品質の保持
  • 廃棄物の発生抑制

 といったメリットがあります。1

 1995年からレンタル専門の事業者によって折り畳みできる通い容器のレンタルサービスが開始され、現在に至っています。卸売業者や生産者団体が通い容器を所有して、生産者と小売業者等の間で循環する場合もあります。


写真:通い容器例

  通い容器例1通い容器例2

1:通い容器普及促進協議会「通い容器の本格的な普及に向けて(提言)」pdf平成19年9月26日。

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2 通い容器普及への課題:

回転数と回収率の向上

 レンタル品の場合、通い容器はまず、産地に貸し出されます。通い容器に収穫された青果物が納められ、卸売業者、さらには小売業者や業務需要者に届けられます。使い終わった通い容器は、レンタル業者へと回収されます。

 通い容器を普及させるには、(1)回転数(1年間に1つの通い容器を利用する回数)を高めることと、(2)回収率を高めること、つまり紛失・流出を減らすことが大きな課題です。これは、通い容器の所有者だけでなく、通い容器の利用者(生産者・卸売業者・小売業者など)にとっても重要な課題です。通い容器の回転数や回収率が高まれば、次の利用に備えて補充しなければならない通い容器の数が減り、結果として通い容器の1回あたりの利用料を抑えることができるからです。


図 通い容器の代表的な流れ

通い容器の代表的な流れ

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3 回転数と回収率を向上するためのこれまでの対策:

通い容器の総数管理

 回転数と回収率を高めるためには、通い容器を借りて利用した事業者に、早くかつ確実に、通い容器を返却してもらうことが重要です。

 通い容器を確実に循環させる仕組みとして、「総数管理」があります。「総数管理」とは、通い容器の貸し出しや青果物の出荷に伴って、通い容器が事業者間で移動するごとに、「いつ、どの事業者からどの事業者へ、どの種類の通い容器が、いくつ移動したか」を、利用した事業者が記録する仕組みです。これにより、通い容器がいくつ手元にあるはずかを把握でき、実際の保有数との差の有無を確認することができます。

 ただし、青果を扱う生産者、集出荷業者、卸売業者、小売業者の皆様に、コンテナを受け取った数・出荷した数を、取引ごとに記録し、貸し出し主にする手間が必要になります。1品目あたりの取扱量が小口になるほど、記録する件数が増え、負担が増えてしまいます。

図 総数管理のイメージ

総数管理のイメージ

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