開催報告:食農連携のための現地コーディネーター研修【長野プレ研修】
食農連携推進のための戦略策定手法
2009年11月19日(木)伊那テクノバレー地域センターで開催された「食農連携のための現地コーディネーター研修(長野プレ研修)」は、20名以上の方々にご参加いただきました。
研修の参加者は、行政、連携支援機関、公設試、大学、食品メーカー、農家等で、長野県内の各地よりお集まりいただきました。
研修は講義と実践研修の二部構成で、講義で学んだ内容をグループワークで実践的に行うことで、相乗効果を得られました。
講義 14:00〜15:00
- テーマ:
- 「連携による食をとおした地域活性化〜SWOT分析を活用した地域の戦略ビジョン構築〜」
- 講師:
- 社団法人食品需給研究センター 主任研究員 長谷川 潤一
主な講義内容
- わが国の食を取り巻く課題と連携による課題の解決
- 食産業における連携をテーマとした取組み
- 連携枠組推進のためのテクニック〜合意形成による地域戦略作成〜
講義の前半では、国内の食料事情の全体像を示し、解決策の一つとして関係者の連携による課題への取組みが考えられることが述べられました。さらに、いくつかの連携の取組みを図式化して示し、「連携による食をとおした地域活性化」に向けた地域戦略ビジョン構築のためのポイントとして、「(人、モノ、金)+戦略」の戦略を練ること、地域ビジョンを持つことの大切さが説明されました。講義の後半においては、戦略の一つとなるSWOT分析の概要を、熊谷うどんの事例を用いて説明されました。
(長谷川講師)
(講義の様子)
実践研修 15:00〜17:30
- テーマ:
- 長野県食料産業のポテンシャル抽出と現状整理
〜グループワークによるSWOT分析の実践〜
実践研修の概要
研修参加者が自らの知識や意見を述べ、主体的に地域の食料産業について話し合い、現状を整理、分析方法を学ぶ場となるよう、グループワーク形式での実践研修を行いました。
グループワーク前半では、各グループのファシリテーター指導のもと、参加者による長野県の食料産業についての情報出しを行い、各情報のグループ分け作業を行いました。また、後半においては、各グループの発表、その発表内容をもとにクロス分析の方法を講師より学びました。
実践研修グループ分け
1グループ当たり、5〜6名で4グループに分けて研修を行いました。各グループには、行政、支援機関、大学、食品メーカー、農家、コンサルタントの方々と、ファシリテーターが配置されました。
ファシリテーター
- Aグループ: 産直新聞 編集長((社)食品需給研究センター客員研究員) 毛賀澤 明宏氏
- Bグループ: 信州大学農学部 准教授(食料保健機能開発研究センター) 中村 浩蔵氏
- Cグループ: 検討委員(ヤヱガキフード&システム(株)) 佐伯 秀郎氏
- Dグループ: 検討委員(イオンリテール(株)) 仲元 剛氏
(グループワークの様子)
(参加者による発表)
参加者からの声
- 食農に関するグループワークでのSWOT分析が、今後色々な面で使うことができると思います。また、長野県にはまだまだ自分が知らなかった部分がたくさんあるということが知ることができよかったです。(食品メーカー)
- SWOT分析は、地域の夢を実現化するためのツールではないかと思いました。(コンサルタント)
- SWOT分析は企業にいた時に事業戦略、商品企画等で実践してきましたが、農業食品関係でみると、視点の違う面も多く参考になりました。(連携支援機関)
- 自治体との共同研究に活用したい。(連携支援機関(大学))
- 小麦のブランド化に活用したい。(食品メーカー)
- 中小企業支援、産学連携の研究結果などの出口の実行の場での参考としたい。(連携支援機関)