開催報告:食農連携のための現地コーディネーター研修【大分】
食農連携のための戦略手法 〜SWOT分析を駆使した地域戦略の分析手法を学ぶ〜
2010年1月15日(金)大分市産業活性化プラザで開催された「食農連携のための現地コーディネーター研修(大分)」は、30名以上の方々にご参加いただき、大変盛況に終わりました。
研修の参加者は、行政、連携支援機関、大学、食品メーカー、コンサルタントの方々など、日頃食農連携のコーディネート業務に携わる方々にお集まりいただき、講義とグループワークによる実践研修を通じ、大変有意義な研修の場となりました。
講義 13:30〜15:00
- テーマ:
- 「連携による食をとおした地域活性化〜SWOT分析を活用した地域の戦略ビジョン構築〜」 →研修資料はこちら
- 講師:
- 社団法人食品需給研究センター 主任研究員 長谷川 潤一
主な講義内容
- 食産業における連携をテーマとした取組み
- 連携枠組推進のためのテクニック〜合意形成による戦略構想〜
- (解説)〜SWOT分析を用いた食農連携の戦略構築・合意形成手法〜
- SWOT分析を使った食をとおした地域連携戦略の事例
- (実習)〜SWOT分析を用いた食農連携の戦略構築・合意形成手法〜
- 地域戦略作成、コーディネーター育成
講義では、食産業における連携をテーマとした取組みについて、いくつかのモデルを示しながらわかりやすく説明されました。その上で、連携構築のためには合意形成による戦略構想をつくっていくことが重要であること、その戦略構築、合意形成手法の一つにSWOT分析があることが説明されました。さらに、具体的にSWOT分析を用いた食農連携の戦略構築・合意形成をどのように行うべきか、内部環境の強み(S)、弱み(W)、外部環境の機会(O)、脅威(T)をどのように抽出し、各々の項目を関連付けて、戦略に落とし込んでいくかを順を追って、わかりやすく説明されました。
(講義に耳を傾ける参加者)
(長谷川講師)
実践研修 14:40〜16:45
- テーマ:
- 大分県の食料産業を対象にしたSWOT分析の実践
〜ポテンシャル抽出と現状整理〜
主な講義内容
実践研修では、「大分県の食品産業の加工」をテーマとして、各グループごとに強み(S)、弱み(W)、機会(O)、脅威(T)について話し合い、整理をしました。各グループには、大分県内の第一線で連携事業において活躍されている方々に、グループリーダーとしてご活躍いただきました。参加者は、常日頃から地域でのコーディネート業務に主体的に携わっている方がほとんどといういこともあり、各グループ中身の濃い議論が展開されました。
また、各グループに県外からの食農連携コーディネーター(FACO)を配置したことにより、地域の参加者が外からの視点での意見やアドバイスを聞くことができたようです。
実践研修の最後には、各グループでまとめた大分県の食品産業の加工に対するSWOTを発表し、各グループの発表に対する講師からの講評がありました。
実践研修グループ分け
1グループ当たり、7〜8名で4グループに分けて研修を行いました。各グループには、行政、支援機関、大学、商工業者、コンサルタントの方々と、食農連携コーディネーター(FACO)が配置されました。
グループリーダー
- Aグループ: (株)ワーキングルーム((社)食品需給研究センター客員研究員) 畑中 裕子氏
- Bグループ: 大分県中小企業団体中央会 大森 洋一氏
- Cグループ: フーズテクニカルサービス 弘蔵 周子氏
- Dグループ: 別所商工会議所青年部 宮崎 省三氏
(グループワークの様子その1)
(グループワークの様子その2)
(グループリーダーによる取りまとめ)
(発表の様子)
参加者からの声
- 漠然と思っていたことをSWOTで見える化して、メンバーで共有できた点がよかったです。現在の支援先に対してもう少し注力しようという気になりました。
- 自分以外の方のご意見がとても参考になりました。
- コーディネーターの必要性が浮き彫りになったと思います。ぜひ2nd Stageでこの続きをしたいと思います。
- 実践的に何度も活用して自分のものにしたいです。
- 考え方、手法のガイダンスとして参考になりました。
- 外部の方との分析がよかったです。
- クライアントの課題解決手法に取り入れていきたいと思います。
- 農業部門の方々とディスカッションする際にSWOT分析を試みてみたいです。
- グループごとのものの見方、分析の違いがあって、とても参考になりました。