開催報告:食農連携のための現地コーディネーター研修【北海道】
食農連携に向けたマーケット・ブランド戦略
2010年2月18日(木)北海道立食品加工研究センターで「食農連携のための現地コーディネーター研修(北海道)」を開催しました。研修には、道内の各地域から、連携支援機関、市職員、農業改良普及員、研究機関、食農連携に携わる民間企業の方々70名にお集まりいただきました。
講習1 13:45〜15:00
- テーマ:
- 消費者の望む商品を開発する
〜ヒット商品からニーズをつかむ 売れている商品に学ぶ、
売れる商品の作り方〜 →研修資料はこちら
- 講師:
- 和耕経営コンサルタント 代表 山川 茂宏 氏
山川講師は、生活協同組合で12年間バイヤーなどを経験し、日本中の産地を回り、企業に話を聞いた経験をもとに、現在、経営コンサルタントとして地域活性化につながる取り組みをされています。
この10年間の食品のキーワードとして、食の安全・安心ということが掲げられると思うが、今後10年のヒット商品を作り出す時代のキーワードとして、「デジタル化」、「高齢化」、「環境への懸念」の3つが主に考えられるということを、現状から考えられる徴候を挙げながらご説明いただきました。また、ヒット商品から「食」のキーワードを読み、ニーズをつかんでいくこと、ネットの口コミなどから消費者の声を聞いて商品を磨くことができるなどといった商品開発するにあたってのポイントをお話いただきました。さらに、商品の磨き方に対し、消費者の立場で考えると、パッケージに消費者が求める情報をきちんと表示することや、パッケージデザインの差別化、味(美味しさ)が安定していること、そこにしかないものを作り出すことがポイントとなってくるといった話も事例を交えながらわかりやすくお話いただきました。
講習2 15:00〜16:30
- テーマ:
- 地域らしさのブランド戦略
〜ブランド構築の全体像 価値の源泉・デザイン・PR・組織体制まで〜
→研修資料はこちら
- 講師:
- ブランドネットワーク インセプト 代表 渋谷 清 氏
渋谷講師は、大手食品メーカーの研究所で商品開発の仕事に携わり、商品開発において外観やイメージの重要性を感じ、CI戦略やブランドデザイン開発を主テーマとするコンサルタントの世界に入られました。
それらの経験をもとに、今回の講義では、ブランド構築とは何か、ブランド構築の方法、成熟市場攻略のブランド戦略、デザイン・PR、組織体制についてなどを、講師の経験を踏まえながら、ご説明いただきました。
渋谷講師は、ブランド構築とは、心の中に思い出、イメージ、連想を刻み込んでいく作業、つまり「別世界」を作り出すことである、別世界を作り出す基は「つくる」「みつける」「再認識する」ということであるとブランド構築の根底にあるものについて説明され、さらに、ブランド構築には、ここでしか作れないものは何かを考えること、ローカルに集中するものほどグローバルに通用するものになるといったようなブランドを構築するにあたってのいくつかのポイントについて話されました。また、これからの時代の流れとして、エコの時代、付加価値の時代、アイデンティティの時代になり、「長く使えるもの」、「本当に良いもの」、「他にはないもの」が求められるのではないかといったお話をお伺いすることができました。
(講演会場の様子)
研修に先立ち実施協力先である
北海道立食品加工研究センター
副所長宮森氏よりご挨拶
(山川 茂宏講師)
(渋谷 清講師)
参加者からの声
(全体を通して)
- 今まで実務経験をしている中で、感覚で対応していたものが具体的な理論や方法を聞くことで大変参考になりました。
- 地域イメージを効果的にPRできるパッケージデザインの重要性を認識しました。
- 「手にとってもらう、目を引かせる」戦略の必要性を感じました。
- 現在の国内を取り巻くIT化や、フードシステムの複雑化により、インターネットによる農作物あるいはその加工品が、食品流通に果たす役割が大きいということを改めて理解することができました。
- 商品開発におけるブランドづくりの視点について多くの生きたご意見をいただき、大変参考になりました。
- ブランド構築の考え方、商品開発の考え方、マーケットの発掘の仕方(発想)が参考になりました。
- ブランドの考え方が大変勉強になりました。
- 当地は食材生産、加工食品製造、研究開発拠点集積などのアドバンテージはあるが、既存の良品、新商品を効果的に「見せる」「売る」ためのマーケティングスキルがまだ低いので、今回の研修内容を地域ネットワークを活用して地域に普及し、販売促進につなげたいです。
- 実際の商品に落とし込み、より具体化し、不明確な部分を勉強していきたいです。
- 農産加工品がアカヌケしないので、今日の内容を生かせたらと思います。
- 当地域でのマーケティングやパッケージデザインを学習できる機会をつくりたいと考えます。
- ネットの活用と地域ブランドに力を入れて行きたいです。
- 実経験も多い講師の方々のお話を聞けて、大変良かったです。時間があれば、より実践的、具体的な(具体例)進め方もお聞きしたかったです。
(山川講師の講習)
- 具体的な話で良かったです。
- 地域の実態、ニーズ調査がまず必要ということを再認識しました。
- すごくわかりやすく勉強になりました。
- 質疑応答での回答が具体的アドバイスで分かりやすかったです。
(渋谷講師の講習)
- 事業者と自治体の役割分担などが参考となりました。
- ブランドの意味、捉え方がわかりました。
- アプローチの方法論に目新しいものがありました。
- プロの発想と体験談がKeyの新たな発想をいただきました。
- 具体例と詳しい説明があり、わかりやすかったです。